巾着田のスタート風景 400km走ってまたここに戻ってくる。
400kmという距離を走り通すこと自体初めての経験。ブルベという競技がなければ夜通し走ることなんて考えもしなかっただろう。
昨年は300kmで尻尾を巻いた。今年は同じ様に繰り返したヘルニア痛からの復活が一月程早かったので昨年に比べ距離は乗れていないが、ここへ来て調子は上向きなのである。先々月の200kmを皮切りに先月は300kmと一概に比べることは出来ないが、昨年よりタイムアップしたもののまったく満足できるものとはならなかった。
また今年も300kmまでで尻尾を巻くのかとも思った。ところがここ最近腰の張りも出なくなり楽しく乗れているので少々欲が出たのだ。本場PBP(パリ・ブレスト・パリ:今年開催年)は1200kmで何日もかけて走破する。3回は朝を向かえることになるとんでもない競技だ。今回の400kmは朝を迎える経験が、ブルベのなんたるかをほんの少しだけ垣間見れる距離なのだそうだ。
さて前置きが長すぎるがこの後もいい加減長く辛い…違った、そうじゃなくて文章は出来るだけ完結に…はい無理な注文です。
よかったらどうぞ
朝:
スタートは埼玉は日高にある巾着田、車に荷物を載せ「忘れ物ないな!」車を走らせながら募る不安は大きく、ひとつひとつ反芻し確認しながら時に空を睨み、時に自転車を確認し…
400kmなんて…一晩中走るなんて…本当に出来るのかな?
行程の勉強もおろそかだし大丈夫かな?
結局なんだかんだ寝不足での参加だけど持つのか身体?
得意のコマ図ケースは用意する時間がなかったのでキューシートを使う。地図も大まかに見たが、交差点を細かく確認出来ていなかった。ある程度位置関係を頭に入れたかったな。
ライトは3灯用意、他にヘルメットにもキューシート確認用に小さいライトを装備した。ベルも装備しているな、尾灯はどうだ?シューズは…あれ?
シューズはどこだ????
あっー
忘れた!
サイクリングシューズ…
今履いているスニーカーじゃ無理だもんな〜戻るしかないや。
仕方ないからUターン、でもって玄関にありましたよ、あーまったく…
気を取り直して再出発、ゆともさんに間に合わないかも?とメール。
巾着田は遠いような遠くないような…
20号・奥多摩街道・16号・299号…あれ着いちゃったよ近いじゃん。巾着田至近のコンビニで朝飯他買い込み駐車場へ。全然全く余裕だよ…お騒がせしましたゆともさんm(_ _)m
スタート前:
自転車の準備をし朝食のオニギリをぱくつく。
日頃持たない装備としては点眼薬とコンタクトレンズの替えと眼鏡。ディクトン(肌保護クリーム)にアンダーの着替えとグローブの替え、それとゴアの雨具。チェーンルブも装備に入れた。
花粉症の薬とアミノ酸顆粒スティックはここ最近持つようにしてるもの。
自分のいでたちは上:メッシュの夏用アンダーに半袖夏ジャージそれに長袖ジャージ。下:夏用のレーパンにオーバータイツ。昼間気温が上がる予報だったので上手くレイヤードしたつもり。グローブは指きりを選択。
スタート:
さて時間も迫りブリーフィング、とブルベカードが届いていないとかで一同笑いに包まれる。この距離になると流石に挑戦しようと言うものは慣れたメンバー。スタッフもあまり慌てた様子無し。程なくしてSスタッフ登場で事なきを得た。スタート前に緊張は皆無、和やかな雰囲気はブルベの良いところ。検車を済ませスタートだ。
スタートしていきなり299号を渡り新興住宅地を抜けるのだが、これがしっかり丘陵地。最初から皆さんさようなら〜爆
県道70号に出れば暫くは知った道、まだまだ序盤なので同じく400kmを走ろうって仲間が列をなす。Iさんがいらしたのでコバンザメ走法。このあたりの道は微妙に傾斜があったりするのだが大丈夫。本格的に山伏へのアプローチが始まるまではいっちょまえな走りが出来る。信号ストップなどで前を行く集団に追いついてみるとtanyさん達皆に追いついた。
本格的な山伏への登りにかかるとkazuさんがなにやら落として少し遅れるも後であっさりぶち抜かれた...すげぇー速さだった。papaさんにもパスされたり、ここで半分以上の参加者においていかれたような気がする。前を行く仲間は当然すっかり見えないのは言うまでもない。
えっちらおっちら峠を征服し休まず下りにかかる。空はどんよりで気温が思ったほど上がらない。下りは少々寒かった。峠では応援をもらったりして良い気分。でもどんだけおいていかれてんだ俺...まぁ予想の範囲さと強がる、先は長いのだ。
下りは速いぜ!正丸トンネル交差点から299号・秩父は上野町で140号へ、この140号も下り基調でアベレージが上がる。国道は車が多くやっかいだけど巡航速度も40km/hらくちんなのである。皆野町に長瀞を抜けてあっと言う間に中野上交差点ここからまた少々上りが続く
140号激走を引いてくれていた方がなかなか良いペースで私もなんとか付いていく。それでも杉の峠でさようなら〜がしかし下りで追いつき鬼石に出る。
写真撮影していたpapaさんに追いつきさらに高速巡行しているとkazuさんとゆともさんの集団に追いつきました。うへぇ〜快挙だよ俺的にはね。ツール缶の蓋が飛んで拾ったりしているうちに切れちゃったけれど。papaさんとたまたま一緒になったスタッフのYさんとPC1に到着。ここまで88kmだったかな。峠も2本あったにも関わらず長い下りの爆走が効いたね。tanyさんは出発するところだったけど「ばっちゃん速いじゃん」とオホメ頂けたのだ。
ちなみにtanyさんとはこれが最後の会話っす。ここでお昼はおにぎり2個と食後に花粉症の薬
kazuさん、ゆともさんはそれぞれのタイミングで出発していった。私はビニールテープを購入してキューシートのケースを治したり、先ほど落としたツール缶の蓋を補修。papaさんツール缶の蓋は少し割れていたので落ちたのです。まぁとどめを刺したのはpapaさんだけど...。爆
PC1はほとんど高崎なんだけど、やっぱり初めて走る道は新鮮で良い。キューシートを忠実に辿りながら大きな地図を頭の中で広げる。へぇ〜こんなところまで来ちゃったのかとね。まだまだ北上するわけでこの先は草津街道を使い榛名山をぐるっと迂回した後に大道峠を使い17号は湯宿温泉に出るのだ。少し17号を進めばPC2だけど、赤谷湖のすぐ下だよビックリだね〜PC2までで168kmここまでは明るいし景色も見ながら遠くまで来たものだとご満悦なのだ。おっと簡単すぎる、ここまでも色々あるのねん。
PC1を出てしばらく行くとゆともさんに追いついたが、ほどなくして信号で切れ街中ってこともあってそんなに離れないものの追いつくことも出来なかった。板鼻のだらだら坂道をなんとか越え、下里見から406号へ出る。ここからもだらだら登り続けたが、なんとかスピードに乗れるので気持ちよく前を追う。丁度良いペースの方がいらしたのでコバンザメ、後前に出る。宝田の交差点の先でやっとゆともさんに追いつき。少し話しながら進むことが出来た。
復路PC4に設定されている倉渕のコンビニを見やり進むとボトルの水が乏しくなってきた。ゆとさんに聞くとさらに山間になっていくとのことで適当な自販機で私はストップ。するとほどなくしてpapaさんたちが追い越していった。補給だけですぐ動けばいいのになんだかのんびり、こんなところがいまひとつダメなところ。先ほどの倉渕から大戸までにピークがひとつ。これをまた越えないといけないのだ。しかも途中忠治の処刑場なる場所がある。あのー帰りに真っ暗闇っすよねこのあたり…背筋が寒くなるってか下り寒みー。まったく昼間の気温上昇の当ては外れた、雲はさらに低く垂れ下がりいまにも降りそうな雰囲気に。身体の方はここまでけっこう登っちゃ下りを繰り返していると人間麻痺してくるね。けっして速くなるわけじゃないけどね。
中之条の町に出て再び登坂開始である、少しアップダウンが続きどこが大道峠だかまったくわからないのである。ちょっとした下りでも寒さが見に沁みてきたので、グローブを冬用に交換し、雨具のジャケットだけ着込む。
このあたりでフロントをアウターからインナーに落とすとチェーンが外れるようになってしまった。その度にクルクルむなしいケイデンスアップ。しかも決まって落とすタイミングは坂道であるから、減速著しくその場でクルクルなのだ。これは笑える。上手く余裕があれば一旦アウターに戻し復活出来るのだが、なかなかそうは問屋が卸さない。何度目かのクルクル(調整すりゃーいいのにね)を坂道で対処していると「大丈夫ですか!」と声を掛けてくれた人がいた。なんとこのとんでもないコースの設計者スタッフのIさんとSさんでした。そこから勝手にPC2までコバンザメとなるのだが、途中あと一つとかこれで最後とか当たり前だが的確なIさんの声を聞いて元気が出る。下りに転じPC2まで高速トレインとなったがなかなか楽しい時間であった。気がかりは少し雨が降ってきたことである。
PC2に着くとゆともさんとkazuさんにまた会えた!俺的には上出来だね。ここで雨がポツポツ…もともと予報は雨、覚悟はしていたがついに来たかと雨具のズボンも着込む。わりと寒いのでカップラーメンで温まる。ゆともさんとkazuさんからこの先の様子を伺うと赤城はアップダウンの連続、あと赤城ICへの上りはやっかいであることなどを聞く。これは的確な情報でありがたい。ほどなくしてゆともさんが、続いてkazuさんが出発していった。
カップラーメンの残り汁はしょっぱいが最後にオニギリを突っ込み雑炊にしてみた。最後まで暖かくしっかり食べれた。ここではさらに顆粒アミノ酸を補給し万全。しかしゆっくり過ぎるのかすっかり回りは出発した様子。ここから17号を沼田に向けて爆走だけどほどなく日没した。
水上だとか月夜野だとかいや〜遠くまで来たもんだね〜と相変わらずのんきモード、すなわち元気ってこと。沼田を抜けると利根川沿いで少々狭くなったであろうか。この辺りの雰囲気は親父の運転で田舎に帰省した頃を思い出す。関越なんてなかったもんね。
雨はさほど酷くならず、といっても充分濡れたけど…あたりも暗くなってきたところで止んでくれた。どっぷり夜になったところで伊熊で17号から離れ赤城のICへ登坂開始。聞いていたとおりのやっかいな坂。しかも真っ暗で街灯も無し。この道でほんとにICに出るんかいな?と一人だと自信ないな〜ってこんなところも楽しいと思えた。なかなか登り終わらないので途中で雨具のズボンを脱ぐためストップ。しばらくすると下からヨロヨロ頼りないライトが近づいて来るのが見えた。ホッこれで間違ってないね道。
「大丈夫ですか!」なんて変なところで止まっていたので声掛けてもらったり、なにせ暗闇な上不案内な道が続くので彼等について行くことにした。少々私にしてもゆっくりなペースだったが、無理することもあるまいと押さえて走る。なんとかいやらしい登りを終え、少し下ったりしながら溝呂木まで来た。経験者らしき一人が折り返しここまで戻って来ると話していたので私もしっかりランドマーク。実はこのあたり不勉強もあって無茶苦茶ちんぷんかんぷんだったのよね。
このあたりの観光道路はレストランもあったりするし、遠く前橋等の街の明かりも見えたりと夜間にも関わらず飽きさせない。ってか昼間に来たほうがね〜「赤城の山も今宵限り」って見えねーや。雨が止んでラッキーだけど冷え込んできた。何度もアップダウンを繰り返しながら30km。ペースを押さえたお陰で元気に折り返しのコンビニに到着です。ここまで229km、ゆともさんにまたまた会えた!すっかり目標になってるのだ。聞くとkazuさんが到着していないとか?もちろん俺より先に出てるよ!なんて話していると途中仮眠したらしく眠そうな顔でkazuさん到着。
ゆともさんは出発、kazuさんも後から来て一緒に軽く食事して先に出ていった。ほらこんなところがねいちいち遅いっていうか元気なのに…基本的にのんびり屋さんで手が遅いってのがこうゆうところで出ちゃうんです。
kazuさんが出発されてからおもむろに着替え始める俺…でもこのアンダーをここで冬用のクラフトにしたのは良かった。暖かくてニコニコしちゃったよ。
追いかけて!なんてkazuさんの言葉も…折り返しのPC3が最後っすね。ゆともさんも最後でした。だってここからブルベの一番面白い部分がやって来るんですもの。あとここまでまったくその存在すら忘れていた腰っすよ腰。これがあーた痛みが出てきて…後半ブルベの過酷さを大いに知ることになるのでありました。あまりに長いので続くってか今更?だけどこの後の後半が面白いかと…ってことで続く
臨場感があって、読んでたらまたブルベ走りたくなってきました^^
後半も楽しみにしてます〜。
コメントありがとうござます。
シューズはあのタイミングで気が付いて良かったです。現地に着いてからだったと思うと…後半出来るだけ早くアップしないといけませんね。
私も後編を楽しみにしている一人です。
こちらこそありがとうございます。
後編早くしないと…汗
こんな時だからこそ、生きてる内に思いっきり楽しんでおきたい…
不謹慎なんて言うなよな!いっちまったら何もできないんだから…(´・ω・`)
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